8月の満月~ in Broome

提灯で飾られたブルーム日本人墓地に蝋燭が灯され、そしてお線香が焚かれました。

2012年8月2日、西オーストラリアの小さな町ブルームにある日本人墓地にて浄土真宗本願寺派(西本願寺)オーストラリアの渡部重信尊師をはじめ、ブルームの住民250人が参加した歴史的意義あるお盆の供養が行われました。

満月晩のブルームの日本人墓地。撮影、金森マユ

ブルームでは第二次世界大戦が始まるまで、毎年8月の満月にあわせ、盆の行事が行われてきました。8月の満月の日は真珠船が春の大潮に合わせてブルームに戻ってくる時であり、また、先祖や真珠産業の前任者達を祀るための、特にその年に亡くなった人々の供養の時期としてもふさわしい時だったのです。第二次大戦が勃発すると、ブルームの日本人は収容され、戦後ほとんどが日本に帰国しました。1950年代になり、再び日本人がブルームの真珠産業に戻って来ると、お盆の行事も再開されましたが、真珠産業が衰えていくにつれて、お盆祭りもなくなってしまったのです。ブルームで最後に仏僧がお盆の供養を行ったのは1968年のことでした。

濱口クレイグさんがブルームの日系コミュニティーを代表し挨拶。浄土真宗本願寺派(西本願寺)オーストラリアの渡部重信尊師しが法要を行なった。撮影、金森マユ

今回、渡部尊師による供養に参加した人達のなかには、元真珠ダイバーの増田晃さん、田中常博さんと奥様の忠美さん、塩路逸さん、故 濱口博さんの奥様、パール濱口さん、 奥村マサトラさんの義理の息子さん、先住民俳優のスティーブン・バーンバ・アルバートさん(Bran Nue Dae, Corrugation Road)、真珠船の日本人造船技師の父親を持つルーシー・ダン さん(The Heart of the Journey)在パース日本総領事館の坂本英貴文化広報担当領事やブルームの姉妹都市、和歌山県太地町からの代表者のみなさまや交換学生や先生のみなさま。また、シドニー日本人クラブの和子チョーカー会長も今回の行事を援助しました。

 

ブルームコミュニティーの皆さん。中央に娘さん達、お孫さん達に囲まれたもと真珠ダイバーの増田晃さんと奥様のエバリンさん。撮影、金森マユ。

現在、ブルームの日本人墓地には900以上の墓石があります。墓標に残る最初の日本人の記録は1890年7月20日で、最近の埋葬はわずか二年前のことでした。同墓地は今でもブルームの日本人/日系人社会で大切な役割を果たしているのです。

2012年のお盆供養の行事は私も含め、増田晃さんの長女、コーリーンさんと姉妹の皆様や濱口パールさんの息子さん達が協力しあい企画し、今年3月にYuga Floral Caféで行われたアートオークションによる資金を元に実現することができました。

オークションに参加したアーチストの皆さん:

Hayley Anderson, Satomi Aoki, Hiromi Ashlin. Fred Aw. Alfonso Calero, Kazuko Chalker, Felicity Clark, Hideo Dekura, Sandy Edwards, Katy Fitzgerald, Luke Hardy, Amanda James, Jumaadi, Miyuki Kishida, Michele Mossop, Yukie Ota / Koto Music Institute of Australia, Vienna Parreno, Moshe Rosenveig, Deborah Ruiz Wall, Yutaka Sawasaki, Lisa Sharkey, Roslyn Sharp, Mitsuo Shoji, Peter Solness, Maree Stenglin, Mary Van Den Berk, Kay Watanabe, Tom Williams, Tomoko Yamada, Yuko Yamamoto / Koto Music Institute of Australia, Setsuko Yanagisawa, Ren Yano と私、(Mayu Kanamori).

その他多くの方のご協力:

茶道デモンストレーションやおにぎりを作って下さった良子フリーマンさんをはじめとする裏千家シドニー協会の皆様。

協賛、広報をしてくださったシドニー日本クラブJapan Club of Sydney の皆様。

お皿やナプキンをご提供くださったSydney Packaging Pty Ltdさん。

クリップボードとワインを寄付くださったFDC Fitout さん。

広報のお手伝いをしてくださった Pop Up-Publicityの Cassie Frenchさん。

アドバイズをしてくださった Images of Life Force Auctionの Katy Fitzgeraldさん。

ためになるお話とお経をあげてくださった宗本願寺派(西本願寺)オーストラリア渡部重信先生。

そして会場やお料理を提供してくださった私の昔からの親友柳沢勢津子さん、パートナーの Ben Crisafulliさん、そして Yuga Floral Cafe & Galleryのスタッフのみなさん。

人は自分を差し伸べることにより、それ以上に与えられるということを改めて感謝と共に感じております。

金森マユ

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